OntoloGearの製品についてご案内しています
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OntoloGear は、大阪大学 産業科学研究所 溝口理一郎教授が提唱し、世界的に評価を受けているオントロジー工学に基づいて、MetaMoJi社が製品化したものです。オントロジー工学については、「オントロジー工学」(溝口理一郎著)[1]、または、溝口研究室のホームページをご参照ください。
オントロジー工学の研究範囲・適用分野は広範ですが、OntoloGear は、特に「機能」に関するオントロジー(機能オントロジー)の研究を理論的な基盤としています。機能オントロジーの研究は、溝口研究室の來村徳信准教授が中心となってその体系化が図られた人工物に関する「機能的知識体系化の枠組み」[2]を起点として、実際の産業応用にも大きな成功を収めています[3]。
最新の研究では、機能構造と不具合現象の統合的モデリング[4]やプロダクトライフサイクルの全てを統合する機能モデリング、セマンティックWebへの応用など、高度に、かつ、多岐に進展しています。
また、製品技術の観点からは、MetaMoJi社の高度なXMLハンドリング技術を中核とする情報内容中心のアーキテクチャに基づいているため、カスタマイズが容易であり、企業のICTシステム全体の中での親和性にも優れています。
さらに、機能オントロジーに関する研究成果と、MetaMoJi社の固有技術である自動テキスト処理技術や辞書技術等を融合することで、機能に関する企業独自の語彙を機能概念にマッピングする機構を備えるなど、ユーザビリティを向上するための新しい技術を複数実現しています[5]。
参考文献
[1] 溝口理一郎:オントロジー工学,オーム社,2005
[2] 來村 徳信,溝口 理一郎: オントロジー工学に基づく機能的知識体系化の枠組み, 人工知能学会論文誌, 17(1), 2002
[3] 溝口 理一郎,來村 徳信,布瀬 雅義:オントロジー工学の成功事例〜機能オントロジーに基づく生産技術知識の共有・再利用〜,人工知能学会・知識ベースシステム研究会,2002
[4] 小路 悠介, 來村 徳信, 加藤 義清, 筒井 良夫, 溝口 理一郎:相互運用性を指向した機能・不具合知識の統合とその概念写像に基づく知識変換,人工知能学会論文誌, 22(1), 2007
[5] 高藤 淳, 來村 徳信, 溝口 理一郎:オントロジー工学とXML技術に基づく技術知識統合管理プラットフォームの構築 −人工物の機能的知識の外化・共有・共創支援基盤の実現−,人工知能学会論文誌,23(6), 2008
©2010 MetaMoJi Corporation -
オントロジー工学における機能モデリングは、従来の形式中心のモデリング手法と異なり、内容指向のモデリング手法であることが大きな特徴です。ここで言う内容指向とは、機能に関する深い考察に基づく一貫した概念体系(機能概念オントロジー)を用いて、機能を表現することを指しています(図1)。
具体的には、機能の本質のみを表す約100語の語彙(以下、標準語彙)で、任意の人工物の機能を表現することが可能であり、この統制された標準語彙を用いることで、記述者毎のブレを無くし、かつ、計算機で相互運用可能な機能構造の記述が可能となります。
また、機能の概念化と方式の概念化を明確に分離することで、方式知識を組織化し汎用的な知識として共有・再利用できることが、もう一つの大きな特徴です(図2)。方式知識は、固有の装置に依存しない汎用的な手法を表していますが、詳細なレベルでは企業固有のノウハウや特許に該当する手法を表すことも可能です。これにより、経験知の蓄積や技術継承にも貢献します。
図1.機能分解木の記述
OntoloGear は、上記のような機能オントロジーの研究成果をソフトウェアとして実現しており、下記の特徴を備えています。
図2.方式知識の組織化例- 機能モデリングの支援性
- 一般的に敷居の高いモデリング作業の負荷を軽減します。
- 柔軟な拡張性
- 個別の用途に応じて、柔軟に拡張することができます。
- 容易な連携性
- XMLを媒介として、他システムと容易に連携することができます。
- 機能モデリングの支援性
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デザインレビューでの理解共有
設計プロセスにおいて、デザインレビューは重要な活動の一つです。しかし、設計者が各々独自のスタイルや表現様式でレビューを行うやり方では、異なる業務分野・技術分野の関係者間で共通の理解を得るのは困難であるということが、多くの企業の現場で問題視されています。
このような問題を抱えるデザインレビュー時の相互理解を促進するために、OntoloGear は、その基本能力のみで貢献することができます。OntoloGear の基本は機能分解木の記述ですが、機能分解木はある人工物が何をするものであるかを、視覚的に分かりやすく各々のレビュー者に提示できるため、相互の理解共有に大きく寄与するということが報告されています。
また、一般にデザインレビューは繰り返し行われますが、そのレビュープロセスにおいて有益な情報が適切に記録されないという問題もあるかと思います。例えば、設計者が何故そのように設計したのか、どうしてその手法を採用したのか、或いはしなかったのか、などの情報が残らないという問題です。
OntoloGear は、前述のようないわゆる『設計意図』に関する情報も適切に記述する枠組みを備えており、事後に必要になった場合にも、迅速に取り出して活用することができます。

図1.デザインレビュー時の理解共有を促すOntoloGear例えば、図2は電気掃除機の機能分解木を記述してデザインレビューに用いる想定例です。この例では、掃除機の排気部の騒音や排気によるほこりの舞い上がりを防ぐ機能について、旧方式と比較したメリットを説明する例を示しています。

図2.OntoloGear による電気掃除機のデザインレビューの例 ※本事例は、実際の電気掃除機を参考にして作成しましたが、該当装置の機能構造や効果などについて正確に記述したものではありません。
知財管理の効率化・知財の共有/再利用
特許あるいはトレードシークレットに相当する知財の管理は、競合他社技術との比較検証や実際の知財化など、効率・スピードが求められます。また、企業ノウハウとして蓄積・継承し、多角的に活用していくことも重要です。
しかし、発明者の専門的な説明は知財担当者にとって理解が難しく、逆に、独特の特許表現は発明者にとって解釈しにくいなど、お互いの理解に負担を強いており効率的な知財コミュニケーションを妨げている、との声をよく伺います。
このような問題に対しても OntoloGear は貢献が可能です。機能分解木で特許箇所を明示化することで、特許内容について発明者も説明しやすく、知財担当者も理解しやすくなります。実際に、明細書作成の効率化や網羅性の検証に優れているとの報告がなされています。
また、機能分解木や方式知識などの構造的情報は、計算機処理に適した形式でもあるため、知財の共有や再利用も容易に行うことができます。

図3.知財管理に役立つOntoloGear例えば、図4は、前述の例と同じく電気掃除機の機能分解木ですが、フィルターに振動を与えて目詰まりを防ぐ特許の比較検討の想定例を示しています。この例では、「機械振動方式」が他社特許で、「電磁振動方式」が自社特許であると仮定しています。図中、情報ノード(緑地に「i」のマーク)には、特許公報、特許明細書、関連資料などを自由に付加することができ、検討中にいつでも参照することができます。

図4.OntoloGearによる自他特許の比較例※本事例は、電気掃除機の実際の特許事例を参考にして作成しましたが、該当特許の機能構造を正確に記述したものではありません。
問題解決の迅速化・失敗のノウハウ化
機能分解木の記述は、設計者に限定されません。例えば、問題発生時に保守担当者が記述することで問題解決が迅速に行われた例も報告されています。保守の専門知識に加え、機能構造の基本に立ち戻って何が真因なのかを見直すことで、見えなかった問題部分が見えてくることもあるのではないでしょうか。機能分解木を記述すること自体、問題の発見に寄与しますが、不具合を詳細に記述してさらに問題の構造を深く理解することもできます。
装置の不具合については、不具合ノードを用いて簡単に記述できます。加えて、より正確に機能分解木で記述することもできます。詳細は参考文献をご覧いただければと思いますが、不具合を意図に反した機能(反機能)の発揮と見なすことで、正常な機能を発揮している時の機能分解木と全く同様の記述が可能となります。
例えば、下図は半導体インゴットの切断装置の不具合を表しています(図5)。この図では、左側が正常な切断機能を発揮している機能分解木、右側が不具合の機能分解木を表します。四隅が少し欠けた黄色い四角形が反機能を表しています。

図5.不具合の機能分解木また、失敗は貴重な資産として捉えることができます。この時、書く人によって差異が生じる文章表現ではなく、機能分解木や方式知識などの構造化された表現の方が、より計算機での相互運用に適しています。OntoloGear は、複雑化する製品に必然的に付随する「失敗のマネジメント」に対しても適用可能です。例えば、部分的な反機能分解木をメタデータとして利用したり、不具合に付随する任意の情報をひも付けしたりすることで、不具合を管理するシステムなどに応用できます(図6)。

図6.不具合管理に寄与するOntoloGear※不具合を管理するシステムは、OntoloGear だけでは構築できません。用途や目的に合わせて別途、構築する必要があります。
補遺:新興国モデルの検討
最後に、全自動洗濯機の機能分解木を元にして、新興国の事情に即したモデル(新興国モデル)を多角的に検討する想定例をご紹介します。図7では、日本仕様の洗濯機の機能構造が記述されています。しかし、このままでは、新興国では高価すぎるという問題があります。この時、安易に現地の安い部品に置き換えるという対策ではなく、現地の様々な状況を考慮してマーケットに適した製品を検討する必要があります。
検討のために、現地の情報が色々と記述されており、この中から不要な機能と新たな付加価値を見いだすきっかけを得ることができます。例えば、野菜を洗うというのは、先進国ではほとんど聞かないと思いますし「それは不適切な使用方法である」という解釈も可能ですが、何が正しい使い方かはユーザーが決めるという観点もあるかと思います。そこで、あえて野菜洗浄モードを付加するという選択肢も考えられます。

図7.新興国モデルの検討※本事例は、実際に野菜を洗える洗濯機を作ったという現地メーカーの実例を元にしていますが、詳細は不明なため該当機能の記述は割愛しています。
©2010 MetaMoJi Corporation
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OntoloGear は、機能オントロジーに関する最新の研究成果を全て網羅しています。今後、基本となる2つのアプリケーション以外に、さらに高度な応用が可能な上級版や幅広いニーズが見込まれる特定領域の応用パッケージなどを随時展開していく予定です。
次回は、もう一つの基本ツールである「OntoloGear WKE (Way Knowledge Editor) 評価版」をご提供する予定です。OntoloGear WKE は、方式知識を編集して方式知識ベースを構築するツールで、OntoloGear SE と組み合わせて用いることにより、知識の共有・再利用に貢献します(図1)。

図1.OntoloGear SE と OntoloGear WKE の連携©2010 MetaMoJi Corporation
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本製品は、オントロジー工学を理論的基盤としていますが、オントロジーの英語表記 Ontology の語源であるラテン語名は Ontologia(オントロギア;存在論)となっています。
このオントロジーの語源をベースに'gia'を'Gear'と読み替えて、オントロジーに依拠した製品であることと、その卓越した概念化の駆動力を体現したツールであることを示したいと考えて OntoloGearという名称にさせて頂きました。
ご利用になる皆様とともに成長するツールとして、ぜひご活用頂ければと思います。


